Akio's Log

ソフトウェア開発、プロジェクトマネジメント、プログラミング、ランニングなどなど

東北のIT業界についての鋭い分析

仙台の人材紹介会社のヒューレックス社のサイトに、「IT業界を目指す方へ」という記事がありました。

仙台というよりも東北全体のIT業界の現状と問題点について、かなり鋭く分析していましたので、少し引用したいと思います。

(2)東北におけるIT業界の構造的問題
東北におけるソフトウェア産業は受託開発型の企業が圧倒的に多いのが特徴です。ここでいう受託開発型の企業とは、外部のクライアントからシステム開発案件を受注して自社内またはクライアント先で開発を行う企業を指します。問題はそのクライアントにあります。

東北において社内のシステム開発を発注できる会社は数限られております。そのため、首都圏などにある大きな企業のシステム開発案件が売り上げのほとんどを占めてしまうようなケースが多くなります。そのような大企業から東北の中小システム開発会社が直接受注するのは難しく、中間にいくつかの会社が介しているケースが多くなります。そうすると、二次請け・三次請けとなることから、収益性が悪くなり、また、仕事の質(コア部分に携われるか等)が悪くなりやすいのです。収益性の高い「Sier」のような企業は構造的にほとんど存在しないのです。(事業の一つとして行っている企業はあります)

また、首都圏の企業が東北にシステム開発の案件をまわす理由にはどのようなものがあるでしょう?それは、開発コストです。首都圏ですと人件費は高く、とうぜん開発コストが高くなります。しかし、東北であれば人件費が安いので、多少面倒になっても東北で開発するメリットがあるのです。

しかしながら、最近では海外にオフショア開発に回すケースも多くなっているため、決して東北における開発コストが安いとは言い切れなくなってきています。海外の人材のスキルも上がってきており、ある一定の品質が保たれるのであれば海外に開発を求める動きが出てきておりますので、地方の市場はますます停滞していくのです。

うちの会社もメーカー系子会社とT○in×がほとんど。やはり仙台ではSIビジネスは成り立たないのか?

東北のIT業界における就業実態

  • 二次請け・三次請けの仕事が多い⇒開発のコア部分や上流の仕事に携われない⇒やりがいがない。スキルアップしにくい。
  • 受託開発が多い⇒客先開発型が多い⇒首都圏への長期出張が多くなる⇒それであれば首都圏の会社に勤めた方が待遇が良い
  • パッケージソフトを開発した⇒営業網ができてないので販売に苦戦⇒収益悪化⇒給与に影響
  • 案件が少なくなってきた⇒厳しい条件でも受注⇒残業が多くなる⇒精神的にまいりやすい
  • 人件費を抑えたい⇒35歳を過ぎるころから歳相応の収入が得られない⇒退職へ

「やりがいがない」っていうのは本当に切実な悩みだなー。下請け仕事はもういやだ。
でも、やりがいがあって、上流工程を手掛けているような会社は、なかなか求人を出していないんだよな。難しいな。