救急受け入れ問題FAQ
ほっとエントリーより。
救急受け入れ問題FAQ
未だに「医師の怠慢だ!」「それでも医者か!」などと思っている人は、とりあえずコレを読んで欲しい。
- なんで急患の受け入れを断るの?
- (人員・設備が足りない…などの)物理的問題で、(受け入れると犯罪になってしまうケースがある…などの)法的問題で「受け入れ不能」だからなんです。
- なんで「専門外だから」が断る理由になるの?
- ベッドが無いなら、廊下で治療すればいいんじゃないの?
- 応急処置してから、他の病院に移すのは駄目なの?
- なんで、一度断った病院が、後になって受け入れるなんて事があるの?
- 救命中であった患者が「落ち着く」か「亡くなる」かのどちらかで、病院側に「空き」が出来たからです。
- 有名人や金持ちだったら嬉々として受け入れるんじゃないの?
- ぶっちゃけ、人の命より金儲けのほうが大事なんでしょ?
- 金儲けのほうが大事だったら、そもそも、不採算部門である救急なんて、最初からやりません。
- 医師が足りないなら、海外から医師を呼んだらいいんじゃない?
- 本国より遥かに待遇の悪い日本に来る理由が見当たりません。…というのも、実は、日本の医師の待遇は、諸外国のソレよりも遥かに悪いんです。
- ドクターヘリを導入したら?空からなら直通でしょ?
- ヘリを導入するにも、周囲の建物が邪魔で安全に飛べなかったり(ビルに激突、民家に墜落…の危険性あり)、ヘリポートのある(作れる)病院が少なかったり、騒音問題で導入を反対する住民がいたり…など、色々と問題が山積みなんです…。
- あと、ドクターヘリを必要とするほどの重症患者を扱う「3次救急」自体の数が減っていることも問題の一つとなっています。
- 救急病院が急患を受け入れられないなら、救急病院を辞めちゃえば?
- 現実に次々と辞め…ていうか、潰れていってるんです…。
- 特に、重症患者を扱う「2次救急」、救急最後の砦である「3次救急」が減っていることが深刻な問題となっています。
- 1次・2次・3次って何?どれも救急病院じゃないの?
- 救急病院は、患者の緊急度の度合いによって「1次救急」「2次救急」「3次救急」と種別されています。
- 「1次救急」は、入院や手術の必要が無い患者が対象、「2次救急」は、入院や手術が必要な患者が対象、「3次救急」は、1次・2次では対応できないレベルの重症患者が対象となっています。
- ここ数年、救急医療が不要なレベルの軽症患者が、夜間救急…特に「2次救急」「3次救急」に駆け込み、夜間救急がパンク状態になっている事が、深刻な問題となっています。
- 2〜30件も断わられる事なんてあるの?
- 大多数の救急が、マンパワー不足・キャパシティ不足のために、常にパンク寸前(or 本当にパンク)の状態に陥っており、2〜30件、いや、それ以上断られる可能性は、大いにありえます。
- また、過重労働で医師が倒れる、燃え尽きて退職…などで、救急を辞める病院も出ており、今後は「受け入れ不能」状態が加速、最悪、「たらい回せる病院」すら無くなり立ち往生…という事態もあり得ます。
地方の救急体制はもうほとんど崩壊してるのかな、という雰囲気は感じてましたが、東京もとうとう限界を突破してしまったみたいですね。
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(追記)
元のブログが凍結されてしまいました(2008/10/24 19:00現在)。
なので、FAQを引用させていただいてますが、何か問題あれば削除しますので、ご指摘ください。